「血行が悪くなって渋滞をおこしている状態」は、
充血でもあり、うっ血でもあります。
 
現象としては、
動脈側で流れ込む動脈血の増加によっておこる渋滞を、
“充血”といいます。
そして、
静脈側で心臓に戻る静脈血が滞る事を、
“うっ血”といいます。
 
充血は、
どこか局所(細動脈や毛細血管)
において血流が増加した状態のことで、
機能亢進・アレルギー・炎症などの理由により、
血液の循環量が増える事で、
皮膚が赤くなったり腫れたり体温が上がったりします。
 
恥ずかしいことなどで顔が赤くなるのも、
充血した状態ということです。
 
動脈から各所の毛細血管へ、血液が入ろうとしているのに入れない状態のことを、
“動脈性充血”
とも呼んでいます。
 
充血をおこした局所が鮮やかな紅色になり、
局部の温度が上昇し拍動も感じられます。
 
「顔のほてり・目の充血・恥ずかしくて耳が赤くなる・たんこぶやねんざ」
などで見られます。
 
うっ血を漢字で「鬱血」と書きます。
 
うっ血とは、
静脈血の充血の様な現象のことです。
血液には、動脈血と静脈血がありますが、
心臓などに障害があり、全身からの静脈血が心臓へ戻れず停滞した結果、
局所において血液量が増加する状態のことを言います。
 
心臓機能の低下、あるいは静脈内腔の狭窄・閉塞などがあって、
静脈血が心臓に戻れず血流が渋滞していることを意味します。
手足の指先や唇などに、
・チアノーゼ(皮膚や粘膜が青紫色に見える現象)
・浮腫
などが見られたりします。
 
毛細血管から静脈の方へ血液が戻ろうとしているのですが、
戻れない状態を“静脈性充血”ということもあります。
 
“うっ血”は充静脈血の青っぽい色となります。
うっ血の代表例は、
「浮腫」=むくみです。
この状態が長く続くと、出血したり色素沈着・血栓を作ることもあります。
 
最後に、「虚血」について。
組織や臓器に送られる動脈からの血流が減少した状態のことです。
簡単に言うと、血液供給が途絶えた状態です。
 
人の細胞は、動脈によって運ばれる酸素と栄養を必要としていますので、
虚血状態の細胞は死んでしまいます(壊死)。
 
これらの「充血・うっ血・虚血」の状態は、
血液循環が正常な状態ではないのです。
この3つの事象は、循環障害とも呼ばれています。
 
打撲