栄養学では、人体を構成する元素の中で、
酸素・炭素・水素・窒素の4つを除いた他の元素を、
『ミネラル』と呼びます。
さらにその中でも、極めて少量しか存在しないものを、
『微量元素』と呼んでいます。
 
生きていくために必須とされるミネラルは、
厚生労働省が提唱している「16種類」となります。
 
☆1日の摂取量が約100mg以上の「主要ミネラル(多量ミネラル)」
カルシウム・リン・イオウ・カリウム
ナトリウム・マグネシウム・塩素 の7種類
 
☆1日10mg以下の摂取量の「微量ミネラル」
鉄・ヨウ素・亜鉛・銅・セレン・マンガン
コバルト・モリブデン・クロム の9種類
 
「微量ミネラル」と呼ばれるものは、
わずかな量でも、わたし達の身体の機能を正常に働かせるのに大きな役割を担っているため、
人体には必須なものとされています。
 
亜鉛:発育や成長を助け、インスリンを合成する際にも不可欠な微量ミネラルです。
 
セレン:体内の過酸化物質から細胞を守り強い抗酸化作用を持ちます。
 
他の微量ミネラル:
マンガン・モリブデン・クロムに関しては、
健康な人が通常の食事をしていれば、欠乏症や過剰症はほとんど見られないとされています。
 
ヨウ素が欠乏すると、甲状腺機能低下が起こるほか、
妊娠中にヨウ素が欠乏すると、死産や流産、胎児の先天異常などを招く心配があるので注意しましょう。
 
マンガンは、酵素の働きをサポートするのに欠かせないミネラルです。
 
モリブデンも、鉄吸収の補助やいくつかの酵素の構成成分となっています。
 
クロムは、インスリンの働きを活性化し、
糖質やコレステロール、たんぱく質の代謝にもかかわっています。
 
このように、たとえわずかな量であっても身体に必須な栄養素がミネラルです。
 
化学肥料だけに頼って、生産量だけを重視する農業政策において…
植物が持つ力で鉱石からミネラルを抽出する力のない植物や、
便利な食事だけでは、
決して十分に摂ることのできないミネラルを、
どう工夫して経口摂取するかを提案します。
 
イオン化ミネラルを補助として考える、
『ミネラル不足の時代』が来ています!
 
参考資料:
厚生労働省
「日本人の食事摂取基準(2015年版)」より
 
元素周期表