食べものに含まれている「酵素」はタンパク質なので、
食べても栄養としてはアミノ酸になるだけです。
酵素という栄養素は、
栄養学や生化学ではタンパク質の一種と教えています。
 
生酵素にこだわらず、
加熱食品も生の食材も両方上手に摂りましょう!
電子レンジ加熱した食品や加工食品ばかり食べていると、
胃や腸が疲れてしまうから、
生の野菜や果物に含まれている酵素を使って、
負担軽減のためにという理由で、
生野菜と果物の酵素ジュース(うそジュース!)が氾濫しています。
 
実際には真逆の事もあります。
生の食材よりも加熱調理をした料理の方が消化が良くなり、
胃や腸に負担をかけないという事で…
お腹の調子が悪い時には、
生野菜よりもよく煮込んだ野菜スープの方がおすすめです。
 
胃の中に入った酵素は、
「胃酸」によりすぐに働きを失ってしまう酵素がほとんどですが…
例外もあります。
 
「チアミナーゼ」という、ビタミンB1を分解する酵素は、
酸に強くて、消化管の中でしばらくの間ビタミンB1を分解してしまいます。
そのため、チアミナーゼを沢山含んでいる生の川魚を食べ続けると、
ビタミンB1欠乏症になる可能性があるのです。
 
同じものばかり食べるのは身体に良くないという事にもなります。
 
「酵素がたっぷり摂れる醗酵食品!」
というキャッチコピーがありますが、
酵素を摂る目的と醗酵食品を摂る意味合いは違うものです。
みなさんは情報操作されていませんか?
 
酵素栄養学や生きた酵素という言葉が世に出たことは、
酵素というものは、ありとあらゆる生き物が生命活動を行うためには不可欠なもので。
「呼吸をしてエネルギーをつくる」
「食べた物を消化吸収し筋肉や血液をつくる」
ことも、酵素がなければ成り立ちません。
そんな大事な酵素が不足してしまうとすれば、それは大変なことです。
 
そこで、
食べ物から不足してしまう酵素を補う必要があると考えたのが、
アメリカのエドワード・ハウエル医師です。
最近みかける酵素の話の多くは、
彼の提唱した「酵素栄養学」が元になっていると考えられます。
 
野菜スープ